インタビュー・国際交流事業協同組合代表理事 須賀則明氏20120514建設通信

中小の海外進出に足がかり/外国人技能実習制度/言語・文化の違い、徹底教育】
政府が建設業などの海外展開を推進する中で、企業が本格的に海外進出を検討する際の足がかりとして、「外国人技能実習制度」の活用が浮上している。進出先の国から実習生を受け入れて日本式の建設技能を教育し、帰国した実習生を有効活用するという考え方だ。同制度の監理団体である「国際交流事業協同組合」(本部・埼玉県神川町)の須賀則明代表理事に取り組み内容を聞いた。

「10年、20年後を考えれば、今、実習生を受け入れて育てることが、次につながるのではないか」。須賀代表理事は、外国人実習生を受け入れるメリットをこう語る。建設業の海外展開と一口に言っても特に中小企業にとっては取っ掛かりがないのも事実だ。「外国人技能実習制度で受け入れた実習生は、3年間、日本で一緒に仕事をする。海外に進出した時に、日本を理解している人材を活用できるのは大きなメリットだろう」という。

同制度で実習生を受け入れて監理する国際交流事業協同組合は、8年前の発足当初8社程度だった会員数が、いまでは126社。製造業の企業が多いが、建設関係企業も11社いる。

img079「まずは相談してほしい」。海外進出を考えている企業や人材不足に悩む企業に対してこう語る。現地の「送り出し機関」と提携しており、「まず制度を説明し、受け入れを希望する場合は組合員になっていただく。将来的な進出希望国や年齢、体格など細かい点まで聞く。現地では、希望人数の3倍程度の人員を用意し、ニーズに合った人を選ぶことができ、現地で面接もする」。受け入れている実習生は現在、製造業も含め238人で、うち建設業が43人。実習生の国籍は、「ベトナムが最も多く137人。そのほか、中国、スリランカ、インドネシアで、今後、インドネシアからの実習生が増える予定」という。

言語や文化の違いによるトラブルに不安を覚える受け入れ企業も多い。だが、「入国許可が降りるまで、現地で平均6カ月程度の徹底した教育を必ず実施している」と、不安解消の取り組みを徹底している。入国後も「まず、埼玉県にある研修所で1カ月の研修を受ける。自転車の交通マナーからスーパーマーケットでの買い物の仕方、ごみの出し方まで警察や消防と連携しながらすべて教える」という徹底ぶり。

とはいっても実際に受け入れると言語・文化面でトラブルは発生しがちだ。「各国の社員がおり、メンタルの面をケアする。トラブルが起きたら、小さなことでもすぐフォローする。労務管理について、組合の社員が必ず1カ月に一度、受け入れ企業を訪問し確認する。いま、受け入れ後のケア面の問題は起きていない」と胸を張る。加えて、「雇用契約を結び、3年間は安定して人材を確保できる」という。

実習生受け入れだけではなく、その活動で培った人脈を生かし「海外進出のためのお手伝いもしている」。特にスリランカでは「3年前に内戦が終わり、インフラ整備が活発だ。日本のODA(政府開発援助)も増えている」と話し、現地政府高官とのつながりもある。ベトナムでも、「送り出し機関として4社と提携しており、現地進出の相談にも乗れる」と語る。img080

安価な人材の確保だけでなく、将来的な現地進出を見据えた実習生受け入れを勧める。「いまは復興などで建設の仕事は多いだろうが、将来的には海外に目を向けなければならないと思う。その応援をしていきたい」と語る。

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